
みなさんは「トランス脂肪酸」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
トランス脂肪酸は、その構造から人工的に作られた油に多く含まれ、「活性酸素」と結びつきやすい特徴があるため、多量に摂取すると心臓病や動脈硬化など様々な病気の原因となることがわかっています。
人が生きていくためには、酸素が必要不可欠です。しかし、酸素を消費すると同時に、私たちの身体には必ず「活性酸素」が生じます。
実はこの活性酵素は、身体を酸化させる物質の代表です。
酸化とはいわゆる「サビ」のようなもので、「身体をサビつかせてしまう」=「老化や病気の大きな原因」となります。
また、活性酵素は、ホルモンのレセプター(受容体)も酸化させてしまいます。
たとえば、血糖値が上昇すると分泌されるインスリンレセプターが酸化すると、インスリンの効きが悪くなってしまいます。そうなると、大量のインスリンを分泌させなければならなくなり、その行き着く先は糖尿病です。
アメリカでは、2018年6月から、トランス脂肪酸を含む油脂を食品に添加することは禁止されています。一方、日本ではとくに規制はされていません。
日本でも自主的にトランス脂肪酸を減らしたり、使用をやめたりするメーカーも出てきましたが、まだまだ欧米に比べて遅れています。
このようにトランス脂肪酸の多量に摂取し続けると、身体が酸化していまい様々な悪影響が出てきます。
トランス脂肪酸はどんな食品に含まれている?

トランス脂肪酸は、マーガリンやスナック菓子、クッキー、アイスクリーム、コーヒーフレッシュ、レトルト食品、惣菜の揚げ物などあらゆる加工食品に含まれています。
コーヒーフレッシュは生クリームの代用品として開発され、その安さと便利さで一気に普及しましたが、中には牛乳は全く含まれておらず、水と油と添加物でできています。
また、加工食品の原材料名には「ショートニング」と書かれているものが多いですが、トランス脂肪酸はこのショートニングにも含まれます。
パンやケーキ、ドーナツの洋菓子は、マーガリンやショートニングを原材料を使っているものが多いため、トランス脂肪酸が含まれるということですね。
このようにトランス脂肪酸は、私たちの生活の至るところに存在しています。買い物をするときに、商品を裏返して食品表示を見てみると、知らず知らずのうちにトランス脂肪酸を含んだ食品を手にとっていたことがわかるかと思います。
たしかに加工食品には、手軽・便利・時短というメリットがあります。しかし、その裏を返せば、身体をむしばむ物質を多く含んでいるというデメリットもあることを覚えていてください。

ただ現実問題として、トランス脂肪酸を一切口にしないことは不可能に近いと思います。
また、突然ジャンクフードが食べたくなったり、頑張ったご褒美に甘いものが食べくなったり、人付き合いの場で気にせず食事をしたいときがありますよね。
そういった際には、無理に我慢する必要はないと思います。
ですので、その分、普段の生活では、食品を買うときに食品表示を見る癖をつけたり、抗酸化作用の高い食材を多く摂るなどの工夫をすることをオススメします。
私は「今、口にしているものが将来の自分を作る」と言っても過言ではないと思っています。日々の食事は「将来の自分への投資である」という考えをみなさんに少しでも持っていただけたら幸いです。
トランス脂肪酸についてもっと詳しく知りたい方は、以下のページを参考にしてみてください。