
どんな人でもこころの悩みを抱えるときには、以下のような身体症状が出てきます。
・眠れない
・食欲がない
・全身がだるい
・頭が痛い
・肩がこる
たとえば、身体が疲れてしまったときには、家に帰るなり倒れるように眠ってしまうでしょう。しかし、神経が疲れたときには、かえって神経がたってしまい眠れなくなることが多いです。
これは、神経衰弱と呼ばれる状態で、神経がとても過敏になっているため、ドアが閉まる音など普段は気にならない音に、飛び上がるほど身体が感じてしまうことがあります。
また、朝起きたときに強い倦怠感を感じたり、意思に反して身体が動かない・やる気が出ないということもあります。これらは本人も訳がわからないまま、原因がはっきりしないことが少なくないです。
不調の原因がわからないまま症状が続くことは想像以上にしんどさを伴いますし、症状が続くにつれて徐々に「自分は弱い人間だ‥」「ダメな人間だ‥」などいう気持ちが湧いてきます。
こころの悩みを抱える人に何らかの身体症状が現れるということを周囲の人が知っていれば、「こころが疲れているときは、神経が過敏になるんだよ」「倦怠感はこころが疲れているのかもしれないよ」といったことを伝えることができますね。
こころの悩みなどに伴う不眠や食欲不振などの身体の不調は、悩みや問題が解決の方向に向かわない限り続きます。
もし、そういった普段現れない症状が続いているようでしたら、こころの悩みがあることを一度疑ってください。

声をかける際には、本人が体験しているようなことを、他の人が体験すれば、誰でもとてもつらくて、とうの昔にまいってしまっているだろうということを伝えることができたらいいですね。
言葉をかける際には、
- あなたのような事情のもとに置かれて、そのような悩みを抱えたらまいってしまうだろう
- 私なら、とっくにまいってしまっているだろう
といった言葉かけをオススメします。

こころの悩みを抱える人は、自分にだけ大変困難な事態が襲ってきていると思い込んでしまいます。
また、自分が特別な人間であると感じる一方で、「異常な人間である(弱い、ダメな、いじめられている等)」とは思いたくない気持ちでいっぱいになっています。
本人が体験していることが、大変なことであると認めるとともに、誰でも同じような体験をすれば、そういった状態に陥るということを告げましょう。
こういった理解を伝えることは、本人が異常な人間なのではなくて、誰でもなりうるような病的な状態にあることを保証することにもなります。
- 身体症状についての理解を持つ
- 本人が自覚を持てるように伝える
- 本人が異常なのではなく、だれしもが陥る可能性があることを伝える
こういった配慮を心がけながら、「ホッとできる」「リラックスできる」環境を作るよう、本人に勧めていくことができたらいいですね。

