動物性タンパク質と栄養素


上記の記事では、肉類のプロテインスコアが高いことから、
毎日200g以上の肉を食べる!
ということを推奨しました。
肉類は、タンパク質を効率よく摂取できるだけでなく、心と身体の健康状態を保つために必要な栄養素がたくさん含まれています。
この記事では、牛肉・豚肉・鶏肉の各特徴についてご紹介したいと思います。
【牛肉】鉄分不足の解消!

牛肉には、良質なタンパク質や脂質、ビタミン・ミネラル類が豊富で、病気を予防するなど生体調節機能があることが最新の研究でもわかっています。
牛肉といえば何と言っても鉄分が豊富ですが、みなさんは、牛や豚などの赤身の肉が赤いのはどうしてかわかりますか?
赤身の肉には、ミオグロビンというタンパク質の一種が含まれています。このミオグロビンには鉄分が豊富に含まれており、鉄分の色素が赤いため身の色が赤くなるんです。
鉄分が一番多く含まれる部位はレバーです。レバーが苦手‥という方でも、赤身の肉であれば、どの部位でも鉄分やタンパク質を十分摂取できるため、赤身の肉を選びましょう。
私は、お財布事情的に鶏肉や豚肉を買うことが多いですが、たまの贅沢にハラミやランプ、いちぼなどの脂質の少ない部位を200gほど食べています。
牛肉の場合は、わさび醤油や塩コショウなどのシンプルな味付けで美味しくいただけますね。
【豚肉】100gで1日のビタミンB1が摂れる!

豚肉には、良質なタンパク質と鉄はもちろんのこと、エネルギーの代謝を促すビタミンB1、皮膚や粘膜の生成を促すビタミンB2、筋肉や血液の生成を助けるビタミンB6などが多く含まれています。
ビタミンの作用についは下記の記事で紹介していますので、下記の記事をご覧ください。
肉類の中でも、豚肉はビタミンB1の含有量が最も多く、豚肉100gを食べるだけで、日本成人男子(20〜29歳)が1日に必要なビタミンB1の85%が摂れることになります!
しかも、豚肉のビタミンB1は加熱しても壊れにくく、体内での吸収率も優れていることから、お弁当や作り置き料理にも適しています。
こちらもオススメの部位は、もも、ロース、肩ロース、ヒレなどの赤身の多い部位です。
赤身の部位でも切り方を工夫すれば、焼く・煮る・炒めるなど、どんな料理にも合います。
また、豚肉は牛肉よりも安価ですし、日々の疲労回復に最適といえるでしょう。
【鶏肉】消化不良が気になる方にオススメ!

鶏肉は、他の肉に比べて脂肪が少なく、消化が良いのが特徴です。
また、鶏肉には、肝臓の機能を高め、脂肪肝の予防になる必須アミノ酸のメチオニンが含まれており、身体全体の老化を防ぐ働きもしてくれています。
鶏のムネ肉には、優れた抗疲労効果のあるイミダペプチドが200gと豊富に含まれていることも評価の高いところです。
タンパク質といえば鶏肉!
というほどのイメージのある鶏肉ですが、上記のような効果もあるんですね。
何と言っても、牛肉や豚肉に比べると安価ですので、家計を助ける心強いお供になることでしょう。
その他の肉類について
一般的に日本の食卓では、牛肉、豚肉、鶏肉が並ぶことが多いかと思いますが、その他のラム肉(羊肉)、馬肉、ジビエなども同様に高タンパク食材です。
ジンギスカン料理に使われるラム肉にも鉄分や亜鉛は豊富で、脂肪燃焼効果の高いL-カルニチンという成分が含まれています。
馬肉は食べる機会こそ少ないかもしれませんが、タンパク質量はもちろんのこと、鉄分・カルシウムを豊富に含む栄養満点な食材です。
近年、鹿や猪、野生の鳥などの肉を使ったジビエ料理が注目されていますが、こちらもタンパク質以外の栄養価も高いです。
自然環境で育った野生の動物の体は、天然の栄養豊富な食事と運動によってつくられているので、食用の肉と比べるとより栄養価が高くなります。
日本の食卓では、牛肉・豚肉・鶏肉が一般的であると思いますが、様々な食材に挑戦してみると毎日の食事も楽しくなることでしょう。
「肉は身体に悪い」という誤解

「日本人は穀類や野菜を中心に食べてきたため腸が長いから、肉や脂肪を摂ると体調が悪くなる。」
「食生活の欧米化に伴い、肉や油脂を摂り過ぎていることが病気の原因だ。」
ということを耳にした方もいらっしゃるかと思いますが、これは間違っています。
肉はプロテインスコアが高い食材であり、人の体内で合成できない必須アミノ酸がバランスよく含まれている素晴らしい食材です。
ただし、毎日同じ種類の肉を食べることで遅延性アレルギーになることもありますので、肉の種類が3日以上連続にならないように気をつけてください。
みなさんには、今日から、肉に対する考え方を切り替えていただき、心と身体の健康を取り戻すために、まずは一日に食べる肉の量を増やすことから始めていただきたいです。