睡眠ホルモンと呼ばれるメラトニン

ぐっすり眠り、朝スッキリ目覚めることは、日中の活動パフォーマンスを大きく向上させます。そして、ヒトの睡眠には、「メラトニン」というホルモンが大きく関わっています。
メラトニンは、脳の松果体という部位から分泌される神経ホルモンで、覚醒と睡眠を切り替えて、自然な眠りを誘う作用があり、別名「睡眠ホルモン」とも呼ばれています。
直接的な睡眠作用を持つほかに、概日リズム(体内時計)に深く関係し、深部体温を下げる作用があり、睡眠・覚醒リズムの調節に重要な役割を果たします。
また、メラトニンは、眠りを誘うほかにも、抗酸化作用によって細胞の新陳代謝を促す作用や、疲労回復につながる作用があることが明らかになっており、病気の予防や老化防止(アンチエイジング)などの研究が進んでいます。
メラトニンの分泌
メラトニンの分泌は、日光などの明るい光によって抑制されるため、日中はメラトニン分泌は低下し、夜間(午後9時〜午前9時/ピークは午前2時〜3時)に分泌が促進されます。
しかし、夜間であっても強い照明(コンビニの店内など)を浴びれば、メラトニン分泌量は低下してしまいます。
そうなると、睡眠と覚醒のリズムが崩れ、睡眠不足に陥り、日中のパフォーマンスの低下に繋がってしまうため、夜間に強い照明のある場所に長時間滞在したり、就寝前にスマホ画面を高光度で見たりすることはなるべく避けましょう。
メラトニンの合成

毎朝、太陽光をしっかり浴びる!
メラトニンは、脳内神経伝達物質のセロトニンから合成されるため、日中太陽光を浴びてセロトニンの合成を促進しておくことが大切になります。

メラトニンと日光の関係について調べた研究によると、朝、太陽の光を浴びることによって12〜14時間後のメラトニン生成量が増えるとされています。
たとえば、朝7時の起床後に太陽の光をしっかり浴びていると、14時間後の夜の9時ごろにはメラトニンの生成量が増えてくるといった感じです。
マグネシウムをしっかり摂る!
また、メラトニン合成の際には、「マグネシウム」という栄養素が必要になります。

マグネシウムは、木綿豆腐、ほうれん草、海藻類(わかめ、昆布、ひじき)などの食品に多く含まれています。
マグネシウムを含む食材は、手軽に食卓に出せるのがポイントです。【夏】海藻をのせた冷奴(木綿豆腐)【冬】昆布で出汁をとった湯豆腐といったように、季節によって工夫しながら美味しくマグネシウムを摂りましょう!
私のオススメは、夕食の汁物として卵とじわかめスープを飲むことですが、一人用鍋の素などを数種類買っておけば、スープの種類を変えて飽きずに飲み続けることができます。

ストレスとマグネシウムの関係

マグネシウムは、ストレスが高い状態でどんどん排出されてしまうため、イライラしがちな人や日頃から高いストレス環境に身を置く人は、マグネシウム不足になりがちです。
メラトニンの合成には、マグネシウムが必要になることをお伝えしましたが、ストレスが高いと感じている人は、マグネシウムを多く含む食品を積極的に摂るようにしましょう!
まとめ
この記事では、私たちの睡眠に大きく関わるホルモン「メラトニン」について紹介しましたが、最後にもう一度おさらいできるようにまとめておきます。
- メラトニンは「睡眠ホルモン」と呼ばれるほど、私たちの睡眠に深く関わっている
- メラトニンには、概日リズム(体内時計)の調整、深部体温の低減、睡眠・覚醒リズムの調節などの役割がある
- メラトニンの分泌が高まるのは、夜の時間帯(午後9時〜午前9時/ピークは午前2時〜3時)
- 朝の時間にしっかり日光を浴び、夜間の強い光を避ける
- マグネシウムを含んだ食材を意識的に食べる
