教育

いじめについて考える①

近年、子どもを取り巻く環境は変容しており、地域性、家庭環境、子どもの発達特性、時代背景などの様々な要因が複雑に絡み合っていますが、今回は、その中の一つである「いじめ」について考えていきたいと思います。

2013年(平成25年)9月28日、児童・生徒の尊厳を保持するため、いじめ防止等(いじめの防止、いじめの早期発見及びいじめへの対処)の対策を目的とするいじめ防止対策推進法が施行されました。

文部科学省が行っている「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸問題に関する調査」によると、2018年(平成30)年度には54万4000件のいじめが認定され、報告されています。

さらに、国立教育政策研究所のいじめの追跡調査では、小学生の9割、中学生の7割がいじめを経験し、被害・加害の両方を経験をしているという旨の調査結果が出ています。

これらのデータから、いじめが、子どもたちの身近に潜んでいて、「いつでも」「どこでも」「だれにでも」起こる可能性があるということがわかるかと思います。

昨今、児童・生徒がいじめを苦に自死したという悲しく痛ましいニュースが報道されるようになり、今やいじめは、日本の社会問題となってるといえるでしょう。

どのようにいじめを発見し、どのように解決していけばよいか、また、学校、教育委員会、第三者委員会は、どのような行動を起こし、その解決や予防に向かって行くべきか様々な議論がなされています。

私自身、いじめに関する子どもからの相談を受け、その解決にあたる第三者機関の相談員として勤務していた経験があり、そういった環境に身を置き、相談を通して子どもたちと関わる中で様々なことを感じてきました。

そういった経験の中で、感じてきたことや考えてきたことを、いくつかの記事に分けてお伝えしたいと思います。

いじめについて考える② いじめはなぜいけないのか?いじめはなぜいけないのか? これは、極めて率直な質問ですが、聞かれてパッと答えられる人はなかなかいないのではないでしょうか? ...
いじめについて考える③ いじめはなぜ起きるのか?自己肯定感と自己有用感 人には、「他人より優位に立ちたい‥」「仲間から孤立したくない‥」といった意識が少なからずあります。 ...
いじめについて考える④ いじめの「定義」とは?文部科学省が行っている「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸問題に関する調査」によると、2018年(平成30)年度には54万400...

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