食卓心理学

神経伝達物質の働き【GABA】

GABA(ギャバ)の効用

近年、リラックス効果を促進したり、ストレスを解消したりする成分として「GABA(ギャバ)」が広く知られるようになりました。皆さんも、チョコレートのパッケージなどで「GABA」という単語を目にしたことがあるかと思います。

GABAは、正式名称を「γ(ガンマ)-アミノ酪酸」といい、アミノ酸の一種です。英語名が「Gamma-Amino Buryric Acid」であるため、その頭文字をとって「GABA(ギャバ)」と呼ばれています。

GABAは、動植物など広く自然界に存在する物質なのですが、哺乳動物の脳や脊髄などの中枢神経に特に多く存在しています。

GABAは、ヒトの体内では、主に抑制系の神経伝達物質として脳内の血流を活発にし、酸素供給量を増やしたり、脳細胞の代謝機能を高める働きをします。

抑制系とは、端的にいえば「精神を安定させる」役割を指します。興奮した神経を落ち着かせたり、ストレスを和らげリラックスさせるなど、現代人がストレス社会を生きていくために必須の役割を果たしているといえるでしょう。

そのため、脳内でこのGABAが不足すると、

・イライラする
・落ち着きがなくなる
・不安感や恐怖感が高まる

などの症状が出てきます。

逆に、興奮系の神経伝達物質も存在しており、ドーパミングルタミン酸などがそれに該当します。

仕事などでパフォーマンスを発揮するには、GABAのような抑制系の脳内神経伝達物質と、ドーパミンのような興奮系の脳内神経伝達物質のバランスが取れていなければなりません。

GABAと脳の関係

GABAは、もともと体内で十分な量が作られているのですが、強いストレスにさらされると、それを緩和するために大量に使われるため、不足しがちになります。

先ほど、GABAが配合されたチョコレートを例に出しましたが、実は、GABA入りの食品を食べたからといって、それらがすぐに脳に届き、脳内のGABAが増えてリラックスできるわけではありません。

私たちの脳には、「血液脳関門」という、他の臓器と違って簡単に外からの成分が脳内に入り込まないように守っている関所のような場所があります。

血液と脳の間にある血液脳関門が、血液中の物質を簡単に脳に通さない仕組みを作っており、脳は、より良い状態を保つために脳に入れる物質を自ら制限しています。

そして、GABAは、この血液脳関門を通過できないことがわかっており、体外からGABAを摂取しても、残念ながらそれらが抑制系の脳内神経伝達物質として直接脳内で使用されることはありません。

GABAを体内で合成する

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【脳内神経伝達物質は栄養素からつくられる】

脳内でGABAが合成されるためには、タンパク質が分解され、グルタミンとして脳に入り、そのあと、ナイアシンビタミンB6などの働きによって神経細胞の中でGABAとして合成される過程が必要です。

ですので、GABAが脳内で生成されるには、タンパク質はもちろんのこと、ナイアシンビタミンBなどの補酵素が必須になります。

ナイアシンを多く含む食品の代表は、鰹(カツオ)です。

仕事終わりに飲みに行くことでストレスを発散する方や仕事の付き合いでの会食や飲みの席が多い方がいらっしゃるかと思います。

アルコールの摂取は基本的にはおすすめしませんが、どうしても会食や飲みの席に参加する場合は、ぜひとも鰹(カツオ)のたたきを頼みましょう。ナイアシンは、アルコールを分解する酵素の作用を高めるため、飲みの席にはオススメの一品です。

その他に、鯖(缶)たらこ鶏のむね肉などにもナイアシンが含まれていますので、夕食のメニュー選びの際に意識してみてください。

ビタミンBは、鰹(カツオ)、鮪(マグロ)、鮭(サケ)などの赤身の魚、豚のヒレ肉鶏のささみ・レバーなどの脂が少ない肉類に多く含まれます。植物性の食品であれば、バナナさつまいもパプリカ玄米などにも比較的多く含まれています。

つまり、鰹(カツオ)はビタミンBも豊富に含まれており、GABAを合成するために持ってこいの食品であることがわかりましたね。

グルタミンなどの神経伝達物質が作られるためには、タンパク質が必要ですので、カツオや鯖、鶏のむね肉などは一石二鳥の食材といえます。

 

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